◆ミル著/山岡洋一訳『自由論』(2006,光文社古典新訳文庫)
読まず嫌いだったミル(高校の教科書か何かで見た肖像が醜かったからかもしれない)を読んでみた。
第1章 はじめにという章立てで、第2章が論の組み立ても明快で力も入っている。世の中を生きていると、特に勤め人などしていると、反対意見などにいちいち耳を傾けるのが煩わしくなり、他人の言論を圧殺したくなることがある。そういう時には、ミルの議論を思い出せば少しは落ち着きを取り戻せるかもしれない。
第2章 思想と言論の自由
第3章 幸福の要素としての自由
第4章 個人に対する社会の権威の限界
第5章 原則の適用
思想と言論の自由を擁護する理由はいくつか挙げられているが、中でも、反対意見を禁じて論争がなくなれば正しい意見であっても生命力が失われるから、というのには感心した。「決着がついた問題は深い眠りにつく」(99ページ)。
ミルの文章はパラグラフが長く、数ページに渡ることも珍しくない。そして、少し話がくどい。
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